Maple story
帰還書を読み、エルナスへと帰還した私達は・・・ 魔女さんに手を引かれ、高台の小屋へとやってきた。

ローブに身を包む4人の男女が・・・そこにいた。

「さあ、ここですよ!ここで三次転職のクエストが出来ます^^」
「師匠、戦士はどなたに話し掛ければよいのでござったかな?」
「たいらす」
「タイラス・・・」


髭を生やし、大きな剣を背負った男。彼が『タイラス』だと言う。彼が戦士の『三次転職』へ導いてくれるのだという。

「さ、プレイヤーさん。」
「ああ」

私は息を吸い込み、落ち着いて言った。

「貴方がタイラス・・・なのか?」

私がそう問い掛けると、彼は静かに答える。

『・・・確かに私がタイラスだ。君は戦士のようだな。・・・そして中々修行を積んだページのようだ。』

「一目見ただけで、それだけの事が?」
「すご」

『当然。私は今まで幾多と旅立つ戦士を見て来た。皆、一概に目を輝かせていた・・・ そして今の君もそうだ。』

この男、只者ではない・・・私の本能が、そう悟った。

『君は三次転職の試験を受けるために、ここへ来たのだろう。・・・ペリオンの【拳を開いて立て】に会うがいい。連絡は私がしておこう。』

「あの男にか?」

【拳を開いて立て】。
全ての戦士の頂点に立つ男だ。
彼の門下をくぐった人々は数知れず。
そして私もまた、その一人なのだ。

やはり二時転職の時と同じ・・・試練は彼を通して行われるのだ。

「わかった。ありがとう、タイラス。」

『ふふ・・・武運を祈っているぞ。』


話を終えると、三人が駆け寄ってきた。

「話は聞いたでござるよ。さあ、ペリオンへ行くでござるよ!」
「みなさん、牛乳の用意はいいですか・・・?」
「うn」

私達がジパングへ戻ろうとした、その時・・・

「ま、待って!w あたしも連れてってよw」
「おぉ!鉾娘殿!」
「ひさ」

『鉾娘』だ。ここの所姿を見せなかったので・・・会うのは少し、久しぶりだ。

「お久しぶりです、鉾娘さん。」
「ひさww」

「プレイヤーsが三次転職に行くって聞いて、飛んできたんだw
  レベル差開いちゃったな〜。今度吸わせろよw」

「あ、ああ・・・」


「さ、ペリオンだろ?さっさと行くぞw」


私達は一斉にイチゴ牛乳を飲み、ジパングへと帰還した・・・


ジパングからカニングシティー、カニングシティーからペリオンへ・・・

以前、この地に足を踏み入れた時、私は『ファイター』から『ページ』への道を歩み始めた。

今私は、新たな力を手に入れようとしているのだ。

『拳を開いて立て』の住むペリオンの頂上へ、私達は向かった・・・

彼は、私を見るなりこう言った。


『・・・良い顔になったな。お前は強くなった。何も言わずとも良くわかる。
 良い仲間も持ったようだ。何も言わずとも良くわかる。』

「・・・ああ!」

『お前に、さらなる試練を与えよう。【次元の扉】へ行け。其処へ行けば、お前が何をすべきか・・・わかる筈だ。』


「次元の・・・扉・・・」


彼が私に与えた第一の試練。『次元の扉へ行け』・・・

「何処にあるのか、全く見当がつかないな。」

「どこそこ」「拙者も知らんでござる」
「わたしも、魔法使いの次元の扉の場所なら知っているんですが・・・鉾娘さん、ご存知ありませんか?」

「ごめwあたしも知らないんだw 戦士の場所なら、あんた方の先輩が詳しいんじゃないの?」

先輩・・・なるほど。『武士道剣士』はこの試練を乗り越えた者の一人。彼の助言を得れば良いだろう。


私がそれを口にしようした、その時。


『ブォンッ!!』


エンジン音と共に、黒いタクシーが私達の前に現れた。そのタクシーから、一人の男が現れる。


『さあ、貴方が行かんとしている場所はわかっています。代金は僕が奢ります。・・・行きましょう!』


武士道剣士が、私達のために移動手段を用意してくれたのだ。

「ありがとう、武士道剣士!」

私達は高級タクシーに乗り込み、向かった先は・・・スリーピーウッド・・・『アリの巣』だった。


-中央ダンジョン アリの巣広場-

以前、ゾンビキノコの護符を集めるため、ここを訪れたことはあったが、これほど奥へやってきた事は無い。

この先に、次元の扉がある・・・ 武士道剣士はそう話した。

「あそこに骸骨の溜まった所がありますね。そこが、ワープポイントです。」

「きも」
「師匠、いやなら帰っても宜しいのでござるよ?」

「いく」


彼の案内のもと、私達は次元の扉の目前までやって来た・・・

緑色に光る大きな扉。この先に何が待ち構えているか。

私には到底、想像もつかない。

『ブレイブ!』
『ハイパーボディ!』
『ヘイスト!』
『ブレス!』

皆が一斉に、私へ向かって補助魔法をかける。しかし、・・・どういう訳なのか、かかっているのは私だけだ。

「・・・プレイヤーさん。ここから先、私達はご一緒できないんです。」

「話だけは聞いたことがあるんだよなw プレイヤーs、ここからはあんた一人さ。」

「拙者がお供できるのはここまででござる!・・・ご武運を!プレイヤー殿っ!」

「全力でぶつかっていくのです。そこに何があろうとも。」


皆、この事を知っていたようだ。・・・二次転職の際もそうだったように、予想はしていた。この先は、私一人だけで行かねばならない。


「皆、行って来るよ。」


『いってこい ぷれいやー』


「・・・ああ!」


目を閉じて、次元の扉へ手をかざす。
すると、その空間に・・・ 私は吸い込まれていった。

皆の力を得て、私は先へと進む。


緑色の鉱石に包まれた、不思議な空間。

辺りに気配は全く無く、不気味なほど静かだ。

少し歩くと、大きな広間に出た。

そこで、私は予想もしていなかった人物に出会う。




『貴方は・・【拳を開いて立て】!!』

『いかにも』

遠くから・・・いや、頭の中に聞こえてくるのだろうか。
【拳を開いて立て】は、話し始めた。


―其処にいるのは私の分身だ。
 分身と言えども、私と同等の実力を持つ。
 分身に・・・いや、私自身に打ち勝つのだ!
 戦士『プレイヤー』よ!!


「彼を倒す・・・私が?」

「殺す気で行くぞ。お前も・・・その気でかかって来い!」


彼は緑色の斧を振りかざし、私に容赦ない攻撃を与える。

その一撃はとても重く・・・熱い。

しかし、私は彼を超えなければならない。負ける訳には・・・・いかない。

『パワーガード』

相手の懐に飛び込み、体当たりする。この距離なら相手の攻撃を封じることが出来る。

しかし、その瞬間。彼が発した眩い閃光が、私の視力を奪った。

「周りが・・見えない!」

「さあ、どうする・・・?」


―心で見るのだ。
 目に見えなくとも、気配で感じ取れ!


『そこだッ!!』


私が振り下ろした『ホーフマン』が師匠の分身を打ち砕いた。

私は・・・勝利したのだ。

崩れ落ちるその身体から、黒い物体が現れた。

『黒い護符』・・・これが彼の分身を打ち破ったと言う、証拠のようだ。

私はそれを道具袋にしまい込み、
その先の扉へ向かった。

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