Maple story
「・・・ふう。ありがと、プレイヤーs。」
そう言って、鉾娘は一息ついた。そして・・・今までとはうって変わって、真面目な表情で言う。

「プレイヤーs。黙っておこうと思ったけど・・・話したいことがあるんだ。外に出よう。」

どうやら・・・彼女は相当、重大な話をしようとしているらしい。無関係な者がいない、二人きりの場所で。

「ああ。わかった。」

私達は塔を泳いで登り、地上へと向かった。さすがに、海水から上がった後は・・・寒い。それもそのはず、塔の外は一面、銀世界。足元は固く凍りつき、上手く歩く事が出来ない。

「プレイヤーs、アイゼン持ってねーの?w」
「っとっと・・・アイゼンとは?」

「エルナスで買える、雪の上でも滑らなくなる靴w」

どうやら、この先の『エルナス』と言う町で、『アイゼン』という特殊な靴を買うことができるそうだ。

「それなら、一刻も早く行こう。ここは歩き難くて仕方ない・・・」

「大丈夫、すぐそこだw」

少し歩くと・・・雪の町『エルナス』の入口が見えた。大勢の冒険者が賑わう、活気ある町だ。

「さ、武器屋はこっちだw」

鉾娘の案内で、私は武器屋へと向かった。
「・・・これがアイゼン、か。」

各職業別に色々な靴が用意してある。この靴、値段は比較的安価で、改造しやすい所が特徴なのだそうだ。

「UG7だし、強化しやすいんだよなwプレイヤーs、試してみれば?」
「そうだな・・・今度、試してみるよ。」

私は戦士用の赤いアイゼンを購入し、早速身につけてみる事にした。
外に出て歩くと、さすがに滑りにくい。これはいい靴だ。



・・・それは置いておいて、鉾娘の言っていたことが気になっていた。私達は人気のない所へ行き、そして尋ねた。

「さてと・・・鉾娘。話とは一体?」

鉾娘は悲しそうな顔で、話し始めた。
「・・・プレイヤーs。弓cの事なんだけど・・・」

弓cとは・・・『最強の弓使い』の事だ。私が以前世話になった、師匠とも言うべき、弓使いだ。彼が一体、どうしたのだろうか?

「家の都合でね。引退するんだって。」

「引・・・退?」

「うん・・・もう、会えないんだ。」

「もう、二度とか?」

「うん・・・二度とね。」

彼は、この世界から身を引くらしい。
理由はわからないが・・・一身上の理由で、だそうだ。
もう二度と会えない。
その言葉に、悲しみがこみ上げてくる。

「プレイヤーsには言うなって言われてたんだけどね。あいつはきっと、悲しむんじゃないかって言ってた。」

「さよならも言わずに去られるほうが、よっぽど寂しいではないか・・・」

私がそう言った時、鉾娘は、道具袋から大きな武器を取り出した。

「・・・これ、弓cが。
 鈍器ページのプレイヤーsにあげるって。」

「これは・・・?」

「ガシャやったら出たんだって。
 最良品だから、売るくらいならアイツにあげよう。って。」


鉾娘から手渡された大きな武器。弓使いからの最後の贈り物。

それは、『クロム』と言う、かなり高レベルの戦士の装備だった。


「・・・ありがとう、弓使い。」


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