丁度良い時間だったらしく、エリニアの船にはすぐに乗船する事が出来た。
「船が着いたらまた、5分後にルディ行きの船が出るの」
「15分・45分の船はそれが出来るから良いでござるなあ」
オルビス行きの船は15分刻み、ルディブリアム行きの船は10分刻みだ。エリニアで15分・45分の船に乗船すると、他の便より5分早くルディブリアムへ行けるのだと言う。これはちょっとした、豆知識だ。雑談もそこそこに、私達は船を乗り継ぎ、ルディブリアムに到着した。
魔女さんがあたりをキョロキョロ見回す。
「補佐官ディグンさん・・・でしたよね?どこにいるんでしたっけ?」
「ルディクエを繰り返す間に何度か見かけたでござるな。」
「エオス塔の前か?」
そう話しながら、住宅街を歩いていると眼鏡をかけ、派手な帽子をかぶった男の姿が見えた。『補佐官ディグン』とは、彼の事だ。
私はその男に古書を見せ、こう言った。
「『ジェイ』に頼まれた者だが・・・この古書で間違いないのだな?」
「おお!この古書に間違いない!それに、しっかり3冊とも揃って・・・さぞかし大変だったでしょう。」そう言い、彼は何か勲章のような物を差し出した。「これはあなた方の名誉を称えた勲章です。受け取って下さい。」
「これは・・・勲章?」
「何だか偉くなった気分でござるなあ!」
「はい。それと、もう一つ・・・これはジェイ君の分の勲章です。彼にも渡してあげて下さい。」
「えええーーーっ!?また戻るの〜〜〜!?」・・・行ったり来たり、大変な依頼だ。
「ここに来るまでは大変だが、帰るのは楽なのだったな。」
「牛乳ですね!」
以前にも言ったのだが、『牛乳』を使えば何処にいても一瞬で『ジパング』まで戻る事が出来るのだ。その事に、投げ侍が目を見開き言った。
「なんと!牛乳がそんなに便利なアイテムだったとは!驚きでござるよ!」
メイジが呆れ顔で言う。
「あんたも知らなかったの?プレイヤーくんの周りってこんなのばっかりなの」
「恥ずかしながらな・・・」
そう言えば、斬り盗賊君とカウボーイの姿が見えない。ついでに・・・雷魔術師も。
「アイツは防衛本部に置いてきたの」
「斬り盗賊さんとカウボーイさん、まだ用事があるって言ってましたよね」
「『内緒』してみたら如何でござる?プレイヤー殿。」
「してみたのだが、どうやら拒否しているみたいでな。」
斬り盗賊君なんかは特に、狩りの最中には『友チャ拒否』『内緒拒否』する傾向があった。カウボーイもそれに合わせているのだろう。雷魔術師に関しては、面倒が起きそうなので止めておく事にする。
「ひとまず、ヘネシスに戻ってこの勲章を渡そう。」
「そうするの」
「皆さん、牛乳持ってますよね?」
「ルディクエで稼いだゆえ、大量に持ち歩いているでござるよ」
私は『いちご牛乳』を取り出し、それを飲み干しきのこ神社へと降り立った。
しかし・・・投げ侍だけ、姿が見えない。
「投げ侍さん、フルーツ牛乳の方を飲んだんでしょうか?」
「まあいいさ。待つとしよう。」
しかしすぐに、『友チャ』で投げ侍の叫び声が聞こえた。
『プレイヤー殿〜!魔女殿〜!メイジ殿〜!!』
「投げ侍、今、何処にいる?」
『ルディブリアムでござる〜!!』
確かに彼も牛乳を飲んでいたはず。なのに何故、新大陸の方にいるのだろうか?
「あいつ、きっとコーヒー牛乳飲んだの・・・w」
「ええっ!?」
『コーヒー牛乳』は無印の『帰還の書』と同じ効力を持ち、大陸を移動できる力は無いそうだ。投げ侍が持っていたのはその、コーヒー牛乳だったのだ。
「ほかの牛乳は無いんですか?」
『無いでござるよ〜!!』
「それじゃ、普通に船で戻ってくるの。あたしたちは先に行ってるの」
少し悪い気もするが・・・、船の時間を考えると待ってもいられない。
「悪いな、投げ侍。先に行かせて貰うよ。」
『そ、そんな、プレイヤー殿まで〜!!』
私達は投げ侍をルディブリアムに残し、ヘネシスへ帰還するのであった。
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