「マリワカ・・・ちゃん?」
「今度は嘘ではないのだな?」
『う、うん!』
彼女の話によると、いつも映画館の前でたたずんでいる『マリワカ』という女性が、お気に入りのバッグを無くしてしまったのだと言う。
『あなた達みたいな冒険者なら、きっとマリワカちゃんを助けてあげられると思うの。』
「・・・わかった。映画館だな?」
「任せて、グラコちゃん!」
私達は『マリワカ』を探すため、映画館へと足を運んだ。白いワンピースを来た女性が、ため息をついていた。
「貴女が・・・マリワカか?」
「私がマリワカだけど・・・何か?」
私達はグラコから頼まれた事を、彼女に話す。
「なあんだ。その事か・・・それならもう、警察に通報したわ。」
「ええっ!?」
彼女は、すでにその事件について警察に話していたようだ。
しかし・・・彼女の表情は重い。
「でも、全然成果は上がらないみたい・・・。もう諦めようかしら?」
「大事なバッグなのだろう?もし、私達に手伝える事があるなら、言って欲しい。」
「そうですよ!諦めるには早いです!」
「そ、そうね・・・それなら、頼んじゃおうかしら。この町には『ピポパ』って言う渋いオヤジがいるのよ。詳しくは、彼に話を聞いてみて。」
彼女が言うには、犯人の大体の目星はついていて、警察官『ピポパ』も捜索に当たっているのだと言う。彼に聞けば、現在の状況もわかるのではないか、という事。
「わかった。『ピポパ』だな?」
私達は、ショーワ町入口に位置する交番へと足を運ぶ。
・・・交番前へやって来た私達は、『渋いオヤジ』もとい『ピポパ』を探していた。
「渋いオヤジって言ったって、 この町には結構シブイ方、多いですよね?」
「そうだな・・・あのスーツを着た男性はどうだ?」
その男性は、夕日を見ながらつぶやいた。
『いい風だ・・・。』
「し、渋いですね・・・」
ピポパとは、恐らく彼のことだろう。私は夕日を眺める彼に、話し掛けようとした。
しかし彼は、ふと振り向き、私達にこう言った。『冒険者・・・だな?』
「あ、ああ。私達は確かに冒険者だが・・・」
『マリワカの事だろう?・・・やめて置け。この事件は、並の人間には手に追えないのだ。』
なんと彼は、私達がマリワカの事でやってきた事を見抜いたのだ。きっと凄腕の刑事なのだろう・・・
「どうしてわかったんですか?」
『いやなに、君達以外にも、この事件を解決しようと試みた冒険者が、数多くいたんだ。しかし皆、半ばで諦めるか、消息不明となってしまったのだ。』
「消息不明?」
それだけ、相手が悪いと言う事だ。それでもその事件を解決しようと考えるなら、情報を提供してもいいと、彼は言う。
「君達の安全は保障できない。それでもやるのか?」
「私達を甘く見て貰っては困るな。」
「ちょっと怖いですけど・・・やります!」
『そうか・・・では、よく聞け。』
彼の証言によると、マリワカのハンドバッグを奪った犯人。それは町の金融にいるというチンピラだそうだ。それも、銃を持った幹部以上の男だと言う。・・・確かに、一筋縄では行かないようだ。
その手下でさえ、一人一人がかなりの実力者だそうだ。
「銃を持つ男か・・・」
「行きましょう、裏通りへ!」
一歩外へ出れば、そこはチンピラの巣。
私達は気を引き締め、裏通りへと向かった。
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