どこかの国を髣髴とさせるこの町。初めてここにやって来たあの頃は、右も左もわからぬ状態だったが、今なら迷う事も無いだろう。
「銭湯のいちご牛乳を購入すれば、すぐにでも戻る事ができるな。」
「ですね!」
早速私は銭湯に向かおうとした。
しかし・・・・
『うう〜。お腹が〜。お腹が痛いよ〜。』
お腹を抱え、苦しそうにしている女の子がいた。
その表情はかなり辛そうで、見過ごす事は出来ない。
「プレイヤーさん、あの子・・・」
「わかってる。様子を見に行こう。」
私達は女の子にかけより、話し掛ける。
「君・・・大丈夫か?」
『うう〜。お腹が痛いよ〜。』
「お腹が痛いんですか?お薬、もって来ましょうか?」
『うう〜。サイダー飲んだら治るかも・・・』
その子の名前は『グラコ』と言うらしい。
サイダー・・・即ち、炭酸飲料だ。しかし炭酸飲料に、腹痛を治す効果があるのだろうか?
「プレイヤーさん。どうします?お腹が痛いのにサイダーなんて、余計に悪いような気がするんですけど・・・」
「う〜ん・・・しかし、この子は現にサイダーを欲しがっている。持ってきてやるとしよう。」
しかし、サイダーはありふれた物なのだが、『この世界』では見かけたことが無い。この町に売っているのだろうか?
「サイダーがどこに売っているか、教えて欲しいのだが・・・」
私が尋ねると、グラコは急に立ち上がり、目を輝かせて言った。
『えっ!?買ってくれるの!?向こうの薬屋に売ってるよ!』
「あら、お腹は大丈夫なんですか?急に立ったりしたらお腹に悪いですよ。」
『えっ!?あっ!・・・痛ッ!お腹痛いよ〜。』
病状は一刻を争うようだ。私達は、急ぎ足で薬屋へ向かって行くのだった。
・・・薬屋へ到着した私達は早速、サイダーを購入した。
「あれ、プレイヤーさん、2本も買ったんですか?」
「私も1本飲んでみたくてな。」
私達がサイダーを持ってグラコの元に駆けつけ、サイダーを手渡すと、彼女はあっという間に飲み干してしまった。
『ぷはーっ!ありがと。でも、お腹が痛いって言うのは本当はうそなの。ごめんね。』
「嘘だったのか?」
「サイダー飲みたいなら普通に言ってくれればいいのに・・・」
なんと、グラコの腹痛は嘘だったらしい。その迫真の演技に、私達はすっかり騙されてしまったのだ。しかしまあ、可愛い嘘だ。笑って許してやる事にしよう。
「はは・・・あまり嘘はつくなよ。それじゃあ、私達はもう行くよ。」
私達がその場を離れようとした時、グラコは引き止めるように言った。
『待って!』
『今度は本当のお願い。マリワカちゃんを助けてあげて!』
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