オモチャ工場の奥へ進むと、今までとはうって変わった雰囲気の空間へ出た。
ひんやりとした空気が流れ、時計の音が静かに木霊する・・・そんな、不思議な空間だった。ここが『時間の分かれ道』だと言う。
「ドコだったかな・・・下の方にポータルが見えるだろ?
あそこに友がいるはずなんだけど。」
梯子を伝って、私達は雷魔術師の指した『時間の道2』へ進んだ。
「ここにその友達がいるのだな?」
「実に興味深い場所だ・・・僕もここへ来るのは初めてなんだけど、思わず周りを見渡したくなるような・・・そんな場所だね。しかし、人影は見えないね。」
雷魔術師が首を傾げて言う。
「っかしいな・・・あいつ、ここにいるって言ってたんだけどな。」
私もクロノスを押しのけ、部屋の中を捜索してみたが、周りにいるのはクロノスだけだ。
「なんかおちてる」
「クロノスの歯車と・・・メルだな。」
歯車やメルがぽつぽつと落ちていることから、少し前まで、ここに誰かいた事だけは確かなようだ。
カウボーイが一つ、提案をした。
「雷魔術師くんの友達なら、『友チャ』で呼び出してみるのはどうだい?友達同士を繋ぐ、あの機能を・・・」
「だめだ。友チャも内緒も切ってやがる('A`)」
狩りに集中するため、その友達は通信を絶っていたようだ。
・・・これで、連絡手段は無くなった。
「さきになんかある」
その時、斬り盗賊君が奥にポータルを発見した。私は早速、提案してみることにする。
「雷魔術師、この先がまだあるようだが・・・先へ進んだと言う事は無いか?」
「そうだね。僕だって先に進む道が見えれば、さらに先を目指したくなる・・・好奇心ってヤツだね。冒険の心を良くわかってるじゃないか。プレイヤーくん。」
・・・雷魔術師に聞いたはずが、カウボーイから返事が返ってきた。
「だな。行ってみるか?」
私達は、ポータルへと足を運ぶ。
・・・その時だった。
『い〜や〜! たすけて〜〜〜!!』
『悲鳴!?』
私達は悲鳴を聞きつけ、急いでポータルに向かった。
ポータルを出た先に見たものは、クロノスの中の最上級モンスター・・・
『マスタークロノス』の群れだった。
『た〜す〜け〜てぇ〜〜〜!><』
再び、少し間延びした悲鳴が聞こえる。マスタークロノスの群れの中に、一人の女性が見えた。魔術師の風貌をした女性は、マスタークロノスの猛攻から命からがら逃げていると言った感じだ・・・
「ちょwwwwあいつwwwww」雷魔術師が吹き出した。
どうやら、彼女が雷魔術師の友達のようだ。
カウボーイが弩を構えた。
「あのままでは危ない!・・・彼女を助けよう!」
「ああ、放ってはおけないな。」
「おk」
私達は武器を構え、マスタークロノス達を追いかけた。
・・・しかし、走っても、走っても、一向に追いつく事ができない。
「何故だ・・・?追いかけても距離が縮まらないぞ・・・」
それもそのはず。マスタークロノスの標的はあくまで彼女。彼女が向こうへ逃げれば、奴らもそれを追うだろう。・・・その感にも彼女への攻撃は止まらない。何とかし無くては。
雷魔術師が声を上げた。
『おいっ!w出口へ逃げろ!ww倒せないじゃねーかww』
「そうだ!ポータルの方へ戻るんだ!」
しかし、彼女は引き返す事無く、逃げ続ける。
『戻ったら死んじゃうの〜〜〜!』
後ろを見ると、そこには新たに出現したマスタークロノスがこちらを睨んでいる。・・・出口は塞がれたようだ。
赤い浮き輪を抱え、必死に逃げる彼女の足は速かった。ここは弩カウボーイの遠距離攻撃に頼るほか、無いようだ。
「俺は入口の奴らを片付ける!弩、あの高台から・・・あいつら狙えねーか?」
「そうだね。僕はあの高台から狙い撃ちする事にする。プレイヤーくんと斬り賊くんは彼女を誘導して欲しい!」
「追いつける自信は無いが・・・やってみる価値はあるな。」
作戦はこうだ。雷魔術師が出入口を確保。カウボーイが高台からマスタークロノスを狙い撃ち。私と斬り盗賊君で彼女を出口へ誘導だ。
『頼んだぜ、プレイヤー、斬賊!w』
かくして、作戦は決行された・・・
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