私がそう言うと、その場にいた全員が驚いてこちらを凝視した。
『7mぅ!!?』
「くれ」
斬り盗賊君にせがまれたが、私は気付かぬ振りをして言う。
「これは・・・大金なのか?」
「くれ」
『お、お前・・・1stの40代戦士が7mも稼ぐなんて至難の業だぞ?』
「ずっとでんでんかってたのか」
「どうやって貯めたんですかー?」
皆に詰め寄られ、私は少し、後ずさりしてしまった。何せ、別に特別なことは何もしていない。レベルアップを目指し、普通に狩りをしていただけなのだから。
『どうやって、と言われても・・・狩りの途中で手に入れた武具は高値で買い取って貰えたものだが・・・』
そう言うと皆はますます目を見開き、言った。
「なるほど、ドロップ運でござるか・・・」
「わたしもたまにはドロップしますけど・・・全部薬代に消えちゃいますもん(_
_;」
『お前、どんなドロップ運だよ('A`)』
正直、私が持っている位は、皆持っているものだと思っていた。
私は・・・運が良い方なのだろうか?
何にせよ、話がずれてしまった。『P取引』の方に話を戻す事にする。
「資金も足りるようだし、この『P売野郎』とやらに取引を持ちかけてみるとするよ。」
「いてら〜、です^^」
私は『チャンネル』を変え、エオス塔を出、地図を確認しながら、フリーマーケットを目指す事にした。・・・その間、『友チャ』の内容が聞こえてきた。
魔女さんが心配そうな声で話す。
「弓使いさん、どうしたんですか?何か考え込んでる、そんな表情してますけど。」
弓使いが口を開いた。
「いや、さっきの拡声器だけどさ。ログが流れてもう見れないんだけど・・・気になるワードがあったんだよ。何だったかな・・・」
「さきばつ」
斬り盗賊君がぽつりとこぼしたその言葉。その言葉を聞いた瞬間、弓使いが叫んだ。
『あああーーーッ!!!?Σ( ̄□ ̄;』
『プレイヤーs!!まだ、まだ取引してないよな!?』
その言葉を聞いた頃だっただろうか?
私はエオス塔に戻り、フリーマーケットであった事を話した。
『なあ、4mを先払いしたのだが・・・、P売野郎が戻ってこないぞ?』私がそう言うと、空気が凍りついた。弓使いがくず折れながら、へなへなと言った。
『遅かった かorz』
私が今の状況を把握するまで、数分かかった。帰ってきて、弓使いたちの話を聞いて、ようやく理解した。私は『詐欺』に遭ってしまった事を。
「私は『P売野郎』に騙されたのか・・・?」
「そのようです・・・」
その時、弓使いが頭を下げて言った。
「すまない、プレイヤーs・・・俺がもう少し、ちゃんと説明しておけば・・・orz」
「何を言う。騙されてしまったのは私の責任だ。弓使いの責任ではないさ。」
少々、懐に打撃は受けたが、勉強になった事も多くある。むしろ私は弓使いに感謝したいくらいだ。それに・・・金なら、また貯めればいいのだから。
しかし、弓使いの気は収まらないらしい。
「プレイヤーs!俺が1000Pおごるよ!いや、おごらせてくれ!」
「しかし、弓使い・・・」
そこに、斬り盗賊君が横槍を入れる。
「おれにもおごって」
「お前はだめだ」
「がーん」
・・・即答だった。
>>第五十四話へ
