私達が地球防衛本部へ戻ると、まだロムバードは進入していなかった。
戦いの前の静けさと言った感じだろうか。嫌に静かだ。
「ロムバードは『エオス塔』から前進して来ている様でござる。
エオス塔前まで行くでござるよ。」
投げ侍が先頭を切り、エオス塔前へのポータルへ向かう。
『ドンッ!!』
突如巨大なモンスターがポータルから現われ、私達を突き飛ばす。
黒いボディに包まれた『ナイトブロック』のようなモンスター。
その大きさは今まで遭遇したモンスターの非ではなかった。
「こいつが・・・ロムバード・・・」
「街中にモンスターなんて・・・包みですか?」
「ロムバードの包みは無いでござるよ、魔女殿。」
二人は結構余裕があるようだった。
それもそのはず。思いのほか滑稽な姿をしていたからだ。
その大きささえ、脅威に見えないほどだ。
しかし、ロムバードはそんな甘い相手ではない。
プルレンジャーイエローの言っていた、
『外界人よりもさらに危険な存在』という言葉。
すぐ、その言葉の意味を痛感する事となる。
『ドカッッ!!』
ロムバードが拳を振り上げ、地面に叩きつける。
物凄い衝撃とともに、地面に衝撃波が走る。
「くっ・・!! これは『スーパースライム』が使用していた物と同じ、地震攻撃か!」
「でも、あの地震攻撃より数段、上です・・・!!」
「同じなら、ジャンプして避けるでござるよ、二人とも!」
しかし、ロムバードの真の恐ろしさは、この後知る事になる・・・
『ブレス』!!
『ヘイスト』!!
二人の補助魔法で、準備は万端・・・
戦士である私は先頭を切り、パワーストライクを叩き込む。
『MISS』
『MISS』
攻撃が当たらない。これほど巨大なモンスターに、ことごとく攻撃を避わされてしまう。
『ブレス』も合わせ、命中率は上がっているはず・・・・
魔女さんがぽつりと言葉を漏らす。
『レベル補正・・・・』
後に聞いた話だが、『モンスターレベル』という物が存在し、
自分のレベルとそのレベルに差がある場合、相手の回避率が飛躍的に上昇すると言う。
「私には何も出来ないのか・・・?」
「マジッククローもほとんど当たりません・・!」
すると、投げ侍が語り始める。
「ふっふっふ・・・ここは拙者の出番でござるな。
命中率の高さならどのような者にも負けぬでござるよ。」
投げ侍は地震攻撃をヒラリと避わすと、そのまま空中で手裏剣を構えた。
『行けッ!!我が水の手裏剣!!』
しかし、そう叫んだまま、
投げ侍は空中静止してしまう。
投げ侍が空中停止している。盗賊のスキルなのだろうか?
しかし、瞬きをする以外、ピクリとも動かない。まさか、魔女さんの時と同じ・・・・
「フリーズ・・・ですね」
そのまま投げ侍は姿を消した。『落ち』てしまったのだ。
いつその現象が私に降りかかるかと思うと、背筋が凍る。
「・・・どうやら、二人で戦うしかないようだな」
「ええ、何としてもここで食い止めなくては!」
しかし、私の攻撃は当たらず、
魔女さんのマジッククローも敵の体力をわずかしか削れない。
その上、私達の薬・ラーメンが底を尽きてきたのだ。
ロムバードの地震攻撃は、確実に私達の体力を奪ってゆく。
「ここまで・・・なのか?」
諦めかけたその時、ポータルから一人の人物が顔を覗かせる。
そして・・・何か、ペットボトルのような物を構えた。
『天』『流』『血』『斬』『殺』
その言葉と共に、凄まじい連続攻撃を繰り出す。
止まらない。ペースを乱す事無く、隙も与えず攻撃を繰り返す。
その連続攻撃により、ロムバードは葬り去られた。
「す、凄い・・・・貴方は一体何者だ・・・?」
ペットボトルを持ち、三度傘をかぶり、鍋蓋を持った人物。彼は口を開き、こう言った。
「tada」
「misu」
「ただ」
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