Maple story
叫び声とともに、一人の盗賊がポータルから転げ込んできた。

「あいたた・・・・不覚・・・・」

魔女さんが駆け寄り、声を掛ける。
「大丈夫ですか?」

その盗賊は体を起こすと、こう言った。

『・・・こほん!拙者の名は"投げ侍"。恥ずかしいところをお見せしたでござるな。』

魔女さんが目を点にして言った。
「・・・・ござる?^^;」

さすがの私も彼の口調には少し違和感を感じた。
しかし、私自身少々固い口調なのを判っていた為、黙っていることにする。

「投げ侍とやら。助けを求めていたようだが、一体何があったのだ?」

すると彼は事情を語りだした。

「拙者、『プルレンジャーブラック』と言う者の依頼を受け、
 クーラン草原にやって来た次第でござるが・・・・」

『投げ侍』が言うには、『プルレンジャーブラック』という人物が
彼に外界人グレイを退治してほしい、と言う依頼をしたというのだ。
だが、彼一人ではとても敵わない相手であったと言う。

「名も知らぬ御主らに、恥を忍んでお頼み申す・・・
 拙者とともに、外界人退治を手伝ってくれぬでござろうか?」

丁度、私達もその外界人を退治しに来たのだ。
断る理由もなく、私達は彼を助けてやることにした。

「わかった!同じ目的を持つもの同士、協力しようじゃないか。」
「仲間は多い方が楽しいですもんね!」

彼は盗賊でも『斬り盗賊』君とは違う、『投げ賊』と呼ばれる
『アサシン』だった。短剣ではなく、手裏剣を扱う職業だそうだ。

「恩に着るでござる!お二方!」

『投げ侍』を加えた一行は、
いよいよ『クーラン草原』へ向かうのであった。

投げ侍が転げ込んできたポータルが、クーラン草原に繋がっているのだそうだ。
私達はポータルの中に入り、辺りを見回してみた。

「静かだな・・・」
「気をつけるでござるよ・・・
 まだ多くの外界人が蔓延っているのでござる。」

『ガサッ!!』

投げ侍がそう言った瞬間、草むらから大勢のグレイが顔を出す。
そして、間もなくこちらへ向かってきた。
この数で体力の少ない魔女さんに向かって来ては一溜りもない・・・
まずは『スラッシュブラスト』で私に注意を向けよう。

私が武器を構えた時、一人のグレイが私に話し掛けてきた。

『待ってくれよ。我々は君達と共存しようと思っているんだ。』
予想もしなかった言葉に、私達は戸惑った。
「共存・・・だと?」
「地球人と、ですか?」

しかし、投げ侍が声を荒げて言う。
「騙されてはならないでござるよ、プレイヤー殿!
 現にこの外界人は、拙者を討ち取ろうとした者どもでござる!」

だが、『外界人グレイ』は冷静に答える。
『我々も考えを改めようというのだ。それがわからないのかい?』

彼らがこちらに襲いかかってくる様子はない。
それに、共存を望む者を退治するわけにはいかない・・・

私は答えた。
「それは本当なのか?グレイとやら。」

グレイは答えた。
『本当さ。だが、その共存を阻もうとしているのが【地球防衛本部】なんだ。
 彼らは共存を望む我々を話し合いもせず、攻撃しつづけているのだ。
 ルディブリアムの平和を脅かそうとしているのは、彼らの方なんだ!!』

私は驚愕した。『地球防衛本部』という名でありながら、
ルディブリアムの平和を乱そうとしているなんて・・・

魔女さんが顔を強ばらせて言った。
「その話が本当なら、許せません!地球防衛本部!」
だが、投げ侍の言い分もある。
「それでは、攻撃を仕掛けられた拙者はどうなるのでござる?」

すると、グレイは頭を下げて言った。
「すまない。喧嘩っ早い部下がいたようだ。・・・この通りだ。どうか許して欲しい。」

投げ侍は少し後ずさりをして言った。
「そう頭を下げられては許さぬ訳にもいかぬな・・・」

グレイが頭を上げ、再び話し始める。
『さて、本題に入ろう・・・・』

彼は地球防衛本部にある『秘密文書』を持って来て欲しいと
私達に頼んだ。グレイ族は極端に不利で、どうしてもその文書が必要だという。
地球防衛本部と繋がりのある私達なら可能だろう。

これに地球の未来がかかっている。私達は急いで基地へと帰る。

「スパイだなんて、ちょっとワクワクしますね!」
なぜか魔女さんは楽しそうだ。

そして投げ侍が首を傾げて言った。
「どこか胡散臭いと思わぬか?プレイヤー殿・・・?」

私も少しだが、そう思った。しかし、私は彼らを信じたかった。
地球外の生物との共存を・・・


基地の格納庫に着いた私達は、なにやら怪しげな箱を発見する。

>>第三十六話へ
トップl 初心者物語l 思い出l フラッシュl 歴史l l掲示板l Reserch