私達は急いでエオス塔を駆け下りる。
その90階から76階に降り立ったが、そこに斬り盗賊君の姿はなかった。
「何故、何故彼の姿がないのだ?」
「プレイヤーさん、『友チャ』で呼んでみましょう!」
『斬り盗賊君、無事なのか!?無事なら返事をして欲しい!』
『斬り盗賊さん!斬り盗賊さん!』
必死に叫んだが、彼からの返事はなかった。安否の状態すら判らない。
・・・そして私はこう言った。
「魔女さん、斬り盗賊君は私達に『エオス石の書』を残してくれた。
・・・彼の行動を無駄にしないためにも、先を目指そう。」
「そうですね。行きましょうか。・・・・地球防衛本部へ!」
私達はエオス塔最深階を目指し、降り進んでいた。
しかし、その足取りは重かった。
「斬り盗賊君は無事だろうか・・・」
「今はただ、生きていることを願うしかありませんね」
私達は迫り来るモンスターを蹴散らしながら進み、エオス塔の71階にたどり着く。
そこに1匹の『赤いクモ』が顔を出した。
私は無言でそのクモを叩き落とした。
クモを倒した場所を見ると、アイテムが残されていた。
『シクリューションリスト』。盗賊専用の盾だった。
「賊盾・・・ですね。」
「ああ。斬り盗賊君が居たら、渡してやりたいものだな。」
「プレイヤーさん、持っていたらどうですか?」
「そうだな。」
私はシクリューションリストを懐にしまうと、再び歩き始めた。
少し歩いた所で、中に浮かんだ大きな石を発見した。
魔女さんが前を指して言った。
「あ、ありました!エオス石!」
「この石の前でこの書物を使えば一気に進むことができるのだな。」
「せーので読みましょ。せーの、で。」
「わかった。同時にだな?」
私達が同時にエオス石の書を読み上げると、かなり奥の階に移動させられていた。
「先に進んだようだな。」
「もう一枚読めば、きっと最深階です。さあ、読みましょう!」
もう一枚のエオス石の書を読み上げると、
さらに奥の階へ移動させられたようだった。
窓の外を見ると、地面が見えていた。最深階・・・1階だった。
「さあ、行こうか。」
私達はエオス塔を後にし、『地球防衛本部』へと足を運ぶ。
第三十三話へ
